「莉沙?」
誠也は、悪戯する様に顔を覗き込む。
私の反応を楽しんでいるのだ。
ゆっくりと顔を上げると、当然ばっちり目が会い一瞬で私の頭の中はフリーズする。
この目は本当に反則。
からかう様に小さく笑い、チャームのお菓子をつまみ、そのゴミを丸めて私に差し出す。
反射的に手を出すと、誰にも見えない様にゴミを渡すと同時に優しく私の手を握った。
そして、再び悪戯な笑みを浮かべすぐに手を離す。
このままでは、仕事なのに仕事にならない。
心の中でママに「ごめんなさい」と一つ呟き、焼酎のロックをすきっ腹に流し込んだ。
「おいおい、大丈夫か。」
勇さんが心配そうに言う。
「全然!大丈夫です!」
いい気分になるのに、時間はかからなかった。
