仕事を終えて家に到着した後、コートも脱いでいない状態でメールの新規作成画面と睨めっこ。 「一応お客さんだし、敬語少し交えてた方がいいよね…?」 ぶつぶつと独り呟く。 私は誠也に初めてのメールを送ろうとしていた。 同い年といっても、初対面で一応お客さん。 〈莉沙です。 今日はありがとうございました。楽しかったよ。 また機会があれば顔見せてね。〉 敬語も交えた当たり障りの無いデコメールを作成し送信ボタンに親指をかけた。