誠也は上目遣いでこちらを見つめ、 「楽しかった。」 と、掴んだ手首をゆっくりと離した。 私の鼓動が一瞬にして速くなった事は、言うまでもない。 この目と仕種で一体どれだけの女を落としているのだろう。 私も一瞬にして、その女達の仲間入りをしてしまったようだ。 「恋はおちるモノ」 まさにその通り。