授業中の、静かな校内。
中庭に、秋の涼しい風が吹いた。
「…少しだけ、よ」
私を見つめる彼へ、視線を向ける。
唇を噛んで、曖昧に言った。
「少しだけ、悔しいことがあったの。…それだけ、よ」
シロは目を伏せて、「そう」と言う。
そして、明るく笑ってくれた。
「なんか最近の美愛子、情緒不安定だね。忙しいっていうか」
「……それは…」
ふ、と目を細めて私を見つめる彼に、ムッとする。
…まったく。
これだから、自覚のないまっしろ王子は。
ほんのわずかな時間迷ったあと、私はじっとシロを見つめた。
目があったところで、ふいっと顔をそらす。
「…シロの、せいよ」
シロは、「え?」と眉を寄せた。
「俺?」
「そーよ。シロのせい。シロが変だから。調子狂うのよ」
つーんと唇を尖らせる。



