むかつく。
柳田さんじゃなくて、自分に。
上手くできない、自分に腹が立つ。
そのまま、中庭へ行くこともできずに、私は立ち止まっていた。
…きっともうすぐ、チャイムが鳴る。
でも、教室へ戻る気にはなれなくて。
ゆっくりと瞳に溜まっていく涙を、必死に堪えていた。
「………美愛子?」
そのとき、頭上から聞こえた声にハッとした。
…この、声。呼び方。
目を見開いて、見上げる。
そこにいたのは、階段を降りる途中で立ち止まって私を見下ろす、シロだった。
彼は私の顔を見て、目を見開く。
「…泣いてんの?」
「なっ、泣いてない!…なにしてるのよ。もうすぐ、昼休み終わるわよ?」
慌てて顔をそらして、ごしごしと袖で涙を拭う。
ああもう、なんで見つかっちゃうのよ。
よりによって、いちばん誤魔化しがきかない相手に。



