柳田さんは、まっすぐに私を見つめてくる。
私はその視線から逃げるように目を閉じて、そして立ち上がった。
柳田さんを見下ろして、誤魔化すように笑う。
「…大丈夫、そうだね。じゃあ私、行くね」
そのまま彼女に背を向けて、渡り廊下の方へ歩く。
…ぎゅう、と手のひらを握りしめて、校舎のなかへ入った。
この校舎内を突っ切って行けば、中庭への出口がある。
もうすぐ昼休みが終わるせいか、教室のないこの辺りは静かで。
堪えきれなくなって、階段のそばで立ち止まった。
うつむいて、きつく目を閉じる。
……泣きたくない。
こんなことで、泣きたくない。
でも、悔しかったの。
たとえ中身がまっくろだとしても、それでも。
私は私の良心で、動いたのに。



