……ふぅ。
我ながら、よくやったわね。
心のなかで自画自賛しながら、近くでひとりその場に座り込んでいる女子へ目を向けた。
「えと、大丈夫?怪我とかは……」
駆け寄ろうとして、はたと気づく。
あちらも顔を上げて、そして目を見開き、固まった。
「………………」
や。
柳田さんじゃないのーーーー!!
手を差し出す形で固まった私と、手を取ろうとして固まった柳田さんと。
「…………………」
長い長い、沈黙が落ちた。
ふたりして、冷や汗をかく。
な、なんてこと……
さっきは囲んでいた女子たちで見えなかったけれど、まさか彼女だったなんて。
『…あ、あたし、諦めませんから!進藤くんのこと………!』
数日前の、あの宣言が頭の奥で響く。
柳田さんもあのときのことを思い出しているのか、気まずそうに目をそらした。



