…わからなくて、もやもやする。
大好きな人のことがわからなくなるって、すごく不安。
シロはいつから、どうして……
「っウザいんだよ、お前!」
突然聞こえた荒々しい声に、思考が止まった。
外の渡り廊下の途中で、足を止める。
今の…女子の声、だったわよね!?
キョロキョロと周りを見回し、声のした方を探す。
ちょうど人通りの少ない、裏庭の近く。
耳をすませると、校舎裏のほうから数人の女子の声が聞こえてきた。
…なんだか…声のテンションからして、穏やかな感じではないわね。
もしかして、あれかしら。呼び出しってやつ?
ど、どうしましょう。
気づいてしまったものは仕方ないし…
私ったら顔が広いから、女子とは大体お友達。
偶然を装って、邪魔できるかもしれないわ。
運良く、呼び出しをくらってしまった子を助け出せるかもしれない。
私には女子の味方も多いし、たぶん大丈夫だわ。



