通り過ぎる生徒達の視線を浴びながら、てくてくと廊下を歩く。
うん、大丈夫。
今日の私も、ちゃんと可愛いわ。
綺麗に笑って、華やかに髪をなびかせて、お姫様のように穏やかに歩く。
大丈夫、…大丈夫。
こんな単純なことで、私の自信はあっという間に立ち直る。
そのくらいにはポジティブだし、心弱くもないのよ、私。
少しだけいつもより憂鬱なのは、シロのせい。
…この一週間、色々ありすぎたから、疲れてるんだわ。きっと。
明日と明後日は、しっかり休まないと。
疲れはお肌に良くないし、可愛い笑顔も作れなくなる。
……最近、シロがわからない。
それが、私を寂しくさせる。
知らない表情が、私を戸惑わせる。
…いつの間に、あんな表情をするようになったの。
どうして、私を学校で避けるの。その理由も、言えなくなってしまったの。
もしかして、あの意地悪な表情は、隠していたものだったのかしら。
それなら、どうして?



