それを否定し続け、やがてそんなことを言う人もいなくなって。
…そうして今、ツケが回ってきているんだわ、きっと。
シロとの学校での関わりを、私から絶ったんだもの。
それなのにシロを奪られたくないなんて、我ながら都合がよすぎる。
でも私、欲張りだから。
欲張りでわがままな、黒猫だから。
………まっしろには、なれないのよ。
「…ア。ちょっと、ミアっ」
隣から聞こえたりさの声に、ハッとした。
気づくと目の前にあったのは自販機で、隣でりさが戸惑った顔をしている。
「なに。飲み物買うの?なら、しっかり自販機の前で止まりなさいよ。ぶつかるとこだったわよ」
「…………」
「聞いてる?ミア」
聞いてるけど。
聞いてる…けど。
今は、翌日の昼休み。
購買でパンを買って、教室へ戻る帰り…だったはずなのだけれど。
自販機で飲み物を買うつもりなんて、なかったのよ。
なのに、鼻の先の数センチ向こうには、自販機のボタンがあって。
……我ながら、ボーッとしすぎだわ。



