なによなによ、追い打ちをかけたいの!?
私はむっとしながらも、「まあ、でも」と言った。
「…それこそ、その『女子達』が黙ってないでしょうよ」
そう。
今までだって、シロに近づかんとする女の子なんて、たくさんいたわ。
その度に私はやきもきするわけだけれど、結局今までシロの彼女になるような子は現れなかった。
何故ならシロには、それはそれは『熱烈な』ファンがいるから。
中学の時もそうだったけれど、彼は『王子様』だと騒がれるくらいには、愛されているのよ。
ファンの子達は、シロに近づく女の子を絶対に許さない。
私が何かをしなくても、その子達によって女の子はシロに一定以上近づけなくなっている。
シロに恋する女子のひとりとしては、そんなやり方するのは馬鹿だと思うのだけど。
…私はやっぱり、まっしろなふりをしているにすぎない女の子だから。
ファンに咎められるその女の子達を助けるような、そんな優しさは持ち合わせていないのよ。
私だって、シロが好きだもの。
…なんてことを考えてる時点で、私はどうやったって正当なヒロインにはなれないんでしょうね。
けれどりさは、「いや、今回はそうもいかないみたいよ」と言った。
…え?



