「ね、ミアちゃん!」
…うっ。
もちろんヒロインもいいと思うのだけれど…やっぱり私は、ライバル派だわ。
ここは、正直に行きましょう。
私は困ったように眉を下げて、「そーだなぁ」と言った。
「確かに、性格はあれだけど…この子も好きだったんだよなあって思うと、なんか憎めないっていうか」
私の言葉に、女の子達は「あー…まぁ、それはわかるかも」と悩み始めた。
べ、別にそんなに考えなくていいのよ?あくまで私の気持ちだし。
…でも………
やっぱり、みんなヒロインが好きよね。
邪魔をしてくるような、性格の悪い女の子より、みんな素直で優しい子を応援するわよね。
やっぱり暗くなってくる私を、りさは静かに見ていた。
*
「…なに落ち込んでるのよ」
気丈に振舞っていたつもりだったのだけれど。
やっぱり長年の付き合い、気分の変化はいとも簡単に気づかれてしまう。
移動教室の途中の廊下で、りさはぼそりとそう言った。



