りさが「バカね」とため息をつくなか落ち込んでいると、クラスの女子達が「ミアちゃーん」と言って私のもとへやってきた。
「あ!その漫画、面白いよね〜!男の子かっこよすぎ!」
…ああ、これね。これ。
全巻持ってる〜!と言う女の子に、「私も〜」と笑って返す。
女子達が、私とりさを囲ってワイワイお話を始めた。
…ああ、花園だわ。
可愛い可愛い女の子たち。
女子といると、癒されるのよね。
暗くなっていた私の顔も、ほわーっと柔らかくなってくる。
女の子たちはしばらくこの漫画のヒーローについて騒いでいたけど、やがてひとりの子が「でもさあ」と言って話が変わった。
「ライバルの子は、ムカつくよね!」
…どくん、と、胸の奧で音が鳴る。
りさは、ちらりとこちらを見た。
「わかる〜!なんでそんなに邪魔すんの!?って!」
「あーゆー性格悪いの無理〜!」
何も言えずに黙っていると、女の子の目がこちらを向いた。



