私はやっぱり止まらないニヤけを抑えながら、「はぐらかされたわ」と答えた。
「…はー?なによ、ダメだったの?」
「でも私は、それ以上のものを得たの」
「……………そう」
だって、思い出してもみて?
シロったら、言ったのよ。
私に、彼氏ができたら。
『それは俺も、ちょっと困るかな』
…ですってよヤーダー!!
きゃー、とりさの腕をバシバシと叩く。
やだわ、やだわ、シロったら。
『困る』んですって。私に、彼氏ができたら。
『ちょっと困る』じゃなくって、むしろ『すごく困る』でもよかったのよ?
てゆーかもう『だから俺が彼氏になる』くらい言ってくれてもよかったんだからもぉ〜!
…というかんじで、私は昨日あれから興奮で眠れない夜を過ごした。
そして調子に乗って、少女漫画を読み始めてしまって。
結局、これよ、このザマよ。
せっかく気分は最高だったのに、最悪になっちゃったわよ!



