モノクロ*メランコリック



努力して手に入れた見た目の可愛さだって、結局性格の可愛さには負けちゃうって、実感するの。


すっごくすっごく、切ないのよ。


性格悪い子だからって、そんな簡単にこの子の恋を終わらせてあげて欲しくないわ。

恋に一生懸命な、女の子だったのよ。


そもそも、ヒロインの引き立て役にひとつの恋が失われちゃうのって、なんだかすっごく納得いかないのよ、私。


「…しかも、この漫画のライバル、ヒーローの幼馴染なのよ?ずっと前から好きだったのよぉ〜?」


ぴしぴしと漫画のページを指差す私に、りさが「ハイハイ」と呆れた目をする。


…なんでそんな他人事なのよぉー!

ぽっと出のヒロインに、そんな簡単に奪われたくないに決まってるわ。


大切な大切な、ひとだったのよ。


大体のライバルは、ヒロインの健気な姿に『この子なら仕方ないわ』なんて認めてあげるけれど。

その笑顔の裏に、一体どれだけの切なさを隠していると思ってるの?

しかもこのあとこの子、ひとりで泣くのよ。意味わかんないわよ。


ヒロインを認めてあげられる優しさを持ち合わせてるこの子を、誰か愛してあげなさいよ!