モノクロ*メランコリック



シロはその綺麗な顔を、まっすぐ私へ向けた。

…ああ、ダメ、耐えられないわ、私。

こんなにも、酔いそうになる。


「…美愛子に彼氏ができたら、かぁ…」


そう、いつも通りな声色で呟いて。

目を見開く私に、シロは優しく、意味ありげに笑った。



「それは俺も、ちょっと困るかな」






次の日の、朝。

私の机の横には、紙袋が提げられていた。


「…ミア、おはよ。何読んでるの」


自分の席に鞄を置いたりさが、私の元へやってくる。

私は頬を膨らませながら、「少女漫画よ」と返事をした。


「…じゃあ、その紙袋に入ってるのも、漫画?」

「そうよ」


りさが、呆れた目で机の横に提げられた紙袋を指差す。

そして、私の顔を見た。


「…んで、なんでそんな不機嫌な顔してんの、天使ミアちゃん」


茶化すのはやめなさいよ!!

私が天使であることは認めるけど、りさが言うと気持ち悪いのよ!!