シロはその綺麗な顔を、まっすぐ私へ向けた。
…ああ、ダメ、耐えられないわ、私。
こんなにも、酔いそうになる。
「…美愛子に彼氏ができたら、かぁ…」
そう、いつも通りな声色で呟いて。
目を見開く私に、シロは優しく、意味ありげに笑った。
「それは俺も、ちょっと困るかな」
*
次の日の、朝。
私の机の横には、紙袋が提げられていた。
「…ミア、おはよ。何読んでるの」
自分の席に鞄を置いたりさが、私の元へやってくる。
私は頬を膨らませながら、「少女漫画よ」と返事をした。
「…じゃあ、その紙袋に入ってるのも、漫画?」
「そうよ」
りさが、呆れた目で机の横に提げられた紙袋を指差す。
そして、私の顔を見た。
「…んで、なんでそんな不機嫌な顔してんの、天使ミアちゃん」
茶化すのはやめなさいよ!!
私が天使であることは認めるけど、りさが言うと気持ち悪いのよ!!



