「四組の劇を見に」
…これから、シロのクラスの劇を見に行く。
きっと観客には、女の子がたくさんいるんでしょうね、と少し憂鬱な気持ちになった。
*
「「キャーッ、進藤くーん!!」」
観客の女の子達の黄色い歓声は、想像以上にすごかった。
開演の十分前に体育館に行ったのに、もう前の方の席は取られていて。
私達が今いるのは、とてつもなく後ろの方。
シロが登場した瞬間、女の子達は一層盛り上がった。
「…すごいわね」
「うん………」
私達の幼なじみって、アイドルか何かだったかしら。
前の方の歓声を聞きながら、りさと苦笑いをこぼす。
…王子役をするシロは、やっぱり本物の王子様じゃないかと思うくらい、格好よかった。
あんなひとが幼なじみで、しかも私のことが好きだなんて、私の人生捨てたもんじゃないわ。
素敵よ、シロ。
是非ともその勇姿をカメラにおさめて、一日中鑑賞していたいくらいね。そんなことしたら引かれそうだけど。
さっきの私の告白、伝わったのかしら。
伝わったとして、シロはどう思ったかしら。
これでシロが変わらなければ、私は彼にとって、それまでの存在だったってことよね。
まぁ、もし今回でダメでも、また明日から頑張るけれど。



