「…それにしても。すごかったわね、『迷子の愛犬へ』のプロポーズ」
ニヤニヤニヤニヤ、さっきからりさはこのことばかり言ってくる。
模擬店で買ったたこ焼きを食べながら、私はムッとした顔をした。
「何よぉ。感動的だったでしょ」
「そうね、感動したわ。天使ミアちゃんは愛犬を溺愛してるって、プロフィールに新しく追加されたわね」
からかうのも大概にしなさいよ、もう。
ふいっとそっぽを向いて、たこ焼きを食べる。
すると、突然頭にぽん、と手が置かれた。
そのまま撫でられて、驚く。
見ると、りさが優しく笑っていた。
「…頑張ったわね、お疲れ。あれだけ声張ったんだもの。きっと届いてるわよ」
…もう、もう。
ずるいわ、りさ。
頬を染めながら、私は唇を尖らせた。
「…そうかな」
「ええ」
「シロは、帰ってきてくれる?」
「もちろん」
なら、いいわ。
私が最後のたこ焼きを食べると、りさが「じゃあ、行きましょうか」と言った。



