「……………」
シロは、なにも言わずに私を見ているだけ。
…なんか、言いなさいよ。
なんで黙ってんのよ。
それじゃ、肯定しているみたいだわ。
「…っ、…シロの、ばっ……」
耐えられなくなって、もう一度キッチンへ向かおうと足を動かす。
けれどフローリングで足を滑らせて、私の身体はシロのほうへと傾いた。
「きゃっ………」
驚くシロの顔が目の前に迫ったかと思えば、見事に私の身体は受け止められていて。
…ふたりして、ソファに倒れこんでいた。
「………ドジ」
そう耳元で囁かれて、かあ、と顔が熱くなる。
…べ、別に、このくらいのハプニング、どうってことないわ。
シロに抱きしめられることなんて、今までに何度もあるもの。
だから、平気よ、平気。
「…ごめん」
でもちょっと久しぶりな距離感だから、退いてと言われるまでこの態勢でいいかしら!?



