私は目をそらしながら、「…そうね」と辛うじて口を開いた。
「…気安くホットケーキを頼めなくなるのは、困るわね」
…ええ、まぁ、嘘ではないわよ。
この場において、我ながら一切可愛げのない回答だけれど!!
「……ふーん」
ふーんってなに、ふーんって。
そのまま、黙っちゃうし。
むっとした私は、不機嫌な声で「…じゃあ」と言った。
「…シロは?私に彼氏ができたら、どうする?」
悲しいようだけど、私ったらすっごく可愛いから。
そりゃあ、昔っからモテるのよ、ええ。
クラスでいちばんカッコイイと言われていた男の子とか、運動部のキャプテンとか。
そんな人たちから告白されては、私、血の涙を流す思いでごめんなさいと言っているのよ。
…この、幼馴染のために。
「……ああ、美愛子って今まで彼氏いたことないっけ。そういえば」
『そういえば』!?
なにその、ああ今思い出したわ、みたいな態度!



