「……好きな子でも、いるの?」
私の知らない、間に。
私の知らないひとに、恋をしていたり、するの?
シロは一瞬目を見開いて、私を見た。
…まぁ、驚くのも仕方ないわ。
こんなこと尋ねるの、初めてだもの。
どきどきしながらシロを見つめていると、彼の顔はやっぱり優しい笑みを浮かべた。
…でもなんだか少しだけ、目の細め方が違っていて。
「……気になるの?」
…バッキューーン、と。
確かに何かが、私の胸にささった。
…え?
なに、なんなの、その笑みは。
私を殺したいの?
ねえシロ、心臓発作で私を殺したいの?
「きききっ、気にならなくもない訳じゃあないわよ!」
「ごめんどっち?」
「うるさい!!」
「理不尽」
ちょっと待ちなさい。
私の心臓が暴れ狂って、どうにかなりそうなのよ。
頭の奥が熱い。
今ぜったい顔も真っ赤だわ。



