「……そうだねえ」
…なーによ、その笑顔でかわすかんじ。
私が口を挟もうとすると、りさがにやっと笑った。
「もうむしろ、ミアを彼女にしたら?」
なんか言い出したわこの子ー!
シロは、ぽかんとこちらを見ている。
ほらぁー!
はっ?って顔してんじゃないー!
地味にその反応、心にくるものがあるわよ?なんか無駄に傷つくことになっちゃったじゃない私ー!
キッとりさを横目で睨む。
私はハッと鼻で笑って、「…彼女ですって?」と言った。
「何言ってるの。シロは私の犬よ」
「いやいや違うよ!?」
すかさず、横からツッコミが入ってくる。
…さっきまで、ぽかんとしてたくせに。
「なによ、文句あるって言うの!」
「ありまくりだよ!!」
こんなに可愛い飼い主なのに、文句があるって言うの?贅沢ね!
そんな、いつも通りの会話をしていたら、結局シロの恋話はまともに聞き出せなくて。
やがてりさは家へと帰って行った。
やっぱりいつも通り、十九時になっても私はまだシロの家にいる。
お互い、親はまだ帰ってこない。



