モノクロ*メランコリック



食べたい食べたいという欲求を孕んだ熱視線を送ると、シロはふはっと笑って「いいよ」と言ってくれた。


「友達にあげようかと思ってたけど、約束してたわけじゃないし。焼き上がったら食べていいよ」

「本当?やったぁー!」

「りさも、よかったら食べて」

「あー…や、あたしはいいわ。パフェ食べたばっかだし」


さっき食べたパフェだけでもきつかったのか、りさは「さすがに胸焼けがする」と眉根を寄せた。


「え、じゃあ美愛子もパフェ食べてきたの?」

「ええ。でも私は大丈夫よ。全然平気!まだカップケーキ三個は食べられるわ!」

「……さすがだね……」


第一、この私がシロのお菓子を食べないなんてこと、あるわけがないでしょう?

…なんてことは、言えないのだけれど。

仕方が無いから、食い意地が張ってるってことにしとくわ。

ええ、もちろん、それも間違ってないわよ!



「…で、どうしたの?」


カップケーキが無事焼き上がり、私のもとへやってきた。