「ちょっと待って竜崎くん。落ち着いて」
「落ち着いてなんかいられるか!全然関係ない姫宮が、こんな目にあって…俺が俺のこと許せねえ」
……罪悪感は、やっぱり感じるわよね。
竜崎くんは、こちらが見ていて気の毒になるくらい、思いつめた顔をしている。
シロとりさは、私達の成り行きを静かに見守っていた。
「私は結局何もされなかったし、気にすることないわ。むしろ連れ去られたのが、正人くんじゃなくてよかった」
「けど、姫宮だったからよかったわけでもねえ」
「…そりゃ、そうだけど。気にし過ぎも良くないっていうか…」
ただでさえお母さんのことで、竜崎くんは充分精神的に参ってるのに。
竜崎くんは目を伏せて、少しの間考え込んだあと、グイッとコーヒーを飲み干した。
そしてカップをテーブルに置くと、重ぐるしく口を開く。
「……姫宮。お前、もう俺と関わるな」
竜崎くんの言葉に、シロとりさの顔が曇る。
…予想していた、言葉だったから。
竜崎くんはいいひとだから、今日のことを説明したら、きっとそういうだろうと思ってたわ。
…仕方ないかもしれない、けど。



