「そっ、そ、それは…!やめて、聞きたくないわ!」
いきなり、今まで考えないようにしてた可能性を突きつけるのはやめて!
ぶんぶんと顔を横に振り、「いやああ」と現実から目を背ける。
りさは「逃げちゃダメよ、向き合いなさい」と、やっぱり悪代官のような笑みでこちらに迫ってきた。なによこれ。
「…………」
気が済んで茶番を終えると、ふたりでずずっとメロンソーダを飲む。
りさはストローを見つめながら、「とにかくさ」と言った。
「あんたのデレツンはともかく、どうして真白が彼女を作らないのかは、あたしも気になるのよ。だから、ミア」
私がパフェの最後のひとくちを口に運んだとき、彼女はにやっと笑った。
「真白んち、行きましょ」
*
宮部りさは、思い立ったら即行動、な女だ。
インターホンを押してやってきた私たちを、シロはとても驚いた顔をして迎え入れた。
「やっほ、真白。お邪魔してもいいかしら?」
シロは部活に入っていないから、放課後は大体家にいる。
本を読んだり、料理したりお菓子を作ったり。



