私はそろそろ怒りが抑えられなくなってきて、フンとそっぽを向いた。
「こんなやり方してたって、あんたたちは一生竜崎くんには勝てないわ」
「…なんだと?」
「竜崎くんは今、すっごく強いもの。守りたいものがあるから、あんた達になんか絶対負けないわ」
彼の大事なもの、家族。
さっきは正人くんの代わりなんてって思ったけど、むしろ攫われたのが私でよかったわ。
正人くんが攫われたとなったら、竜崎くん卒倒するかもしれないじゃない。
もっとおおごとにだってなり兼ねないし。
お母さんが大変なこんなときに、正人くんまで大変なことになったら、竜崎くんは今度こそ立ち直れなくなっちゃう。
竜崎くんは、家族のために変われる強いひとよ。
そんなひとが、あんた達みたいな小者に負けるはずないじゃない?
私が明らかに馬鹿にしているのに気づいたのか、男達は顔を真っ赤にした。
そして、ジリジリと近づいてくる。



