誰がシロのことを好きで、今誰と仲が良いとか。
シロが四組で私が二組なのも、運が悪いとしか言いようがなかった。
「……私がシロのことを把握しきれないのは、どうしようもないのよ」
ぽつりと、呟く。
りさはそれには何も言わずに、「けど、さすがに変よね」と言った。
「何が?」
「中学の時から真白、どんな可愛い子から告白されようが、断ってるでしょ。一度付き合ってみるってこともせずに。とても今をときめく男子高校生とは思えないわ」
シロが誰とも付き合わない理由なんて、深く考えたことなかった。
前に一度、からかい半分で『どうしていつも断っちゃうのよ』と言ってみたけれど、彼は困ったように笑うだけで。
眉を寄せる私に、りさはやけに真剣な瞳をして言った。
「……もしかして、別に好きな子がいたりして……」
何故か恐ろしげな笑みまでたたえたりさの言葉に、私は顔を引きつらせた。



