「私は、いつでも空いてるよ。部活入ってないし、どうせ暇だもん」
『どうせ』を強調する。
昨日、彼が言っていたように。
口調はミアちゃんのまま、黒猫な表情でそう言ってみると、竜崎くんは一瞬ぽかんとした。
そして、くしゃりと顔を歪めて笑う。
「そうか。…そうだったな」
…いい顔して、笑うじゃない。
本当、もったいない。
みんなの前でもそういう顔、すればいいのに。
なんてことを考えながら、私はしばらく竜崎くんと話していた。
…その様子を、シロが遠くから見ていたなんて、ちっとも気がつかずに。
*
それから二日後の放課後に、私は竜崎くんと、またあの保育園に来ていた。
「あ、ミアだー!」
正人くんは私を見つけるなり、指をさして駆け寄ってくる。
可愛い反応じゃないの。ええ、悪くないわね。
「フッ、そんなに私に会いたかったの?」
「にーちゃん、きょうの夜ゴハンはー?」
「興味それるの早すぎじゃない!?」
私の話聞きなさいよ!子供自由すぎるわ!!



