モノクロ*メランコリック



「私は、いつでも空いてるよ。部活入ってないし、どうせ暇だもん」


『どうせ』を強調する。

昨日、彼が言っていたように。

口調はミアちゃんのまま、黒猫な表情でそう言ってみると、竜崎くんは一瞬ぽかんとした。

そして、くしゃりと顔を歪めて笑う。


「そうか。…そうだったな」


…いい顔して、笑うじゃない。

本当、もったいない。

みんなの前でもそういう顔、すればいいのに。


なんてことを考えながら、私はしばらく竜崎くんと話していた。

…その様子を、シロが遠くから見ていたなんて、ちっとも気がつかずに。






それから二日後の放課後に、私は竜崎くんと、またあの保育園に来ていた。


「あ、ミアだー!」


正人くんは私を見つけるなり、指をさして駆け寄ってくる。

可愛い反応じゃないの。ええ、悪くないわね。

「フッ、そんなに私に会いたかったの?」

「にーちゃん、きょうの夜ゴハンはー?」

「興味それるの早すぎじゃない!?」

私の話聞きなさいよ!子供自由すぎるわ!!