…なーによ、よそよそしい。
「じゃあね」
まぁ、これから先あまり関わることもないだろうし…と思いながら、竜崎くんと別れる。
けれど、彼は途中で「姫宮」と呼んできた。
「何?」
「ま…正人がさ。また、お前と遊びたいって」
あら。
なになに。私ったら、意外と気に入られちゃったのかしら。
保育園児まで虜にするなんて、さすが私。
「本当に?」
「ああ。だから…次、放課後はいつ空いてる?」
やけに気遣うような顔でそう言われ、なんだか変な気分になった。
なによ、昨日と態度違いすぎじゃない?
…ああ、実はこちらが本当の彼なのかしら。
昨日は、無理にヤンキーっぽく装っていただけなのかもしれないわね。
私は竜崎くんを見つめた後、ツンとそっぽを向いて、言った。



