「…面白いって…何よ」
「いい意味でだ」
「……そ、そう」
な、なによ。なんか照れるわ。
わがままな黒猫の私を知ってるのは、幼なじみのシロとりさ、家族くらいで。
面白いなんて、言われたことない。
いい意味で、と言われれば、まぁそのまんまいい意味にとるわよ、私単純だから。
褒められてるって、受け取っちゃうわよ。
全くもって、何が面白かったのかはわからないけれど。
私がほんの少し頬を緩めていると、隣でシロがこれ以上ないくらいに機嫌の悪い顔をしていた。
だから…あなたはどうしてそんなに怒っているのよ。
私はあなたの穏やかな表情が好きよ。その怒った顔ももちろん素敵だけれど。
シロは珍しくイラついた表情を隠すことなく、竜崎くんを見た。



