「おれはユウシャするから、ミアはカイジュウな!」
「はぁ!?なんで私が怪獣なのよ!やるならさらわれた姫君でしょう!」
「ヒメギミ?」
「とーっても可愛いお姫様よ!」
怪獣なんて納得いかないわ。私に相応しいのはお姫様に決まってるでしょう!
正人くんは私の主張に、「えーっ」と不満げな声を出した。
「じゃあカイジュウはだれがやるんだよーっ」
「怪獣なら、竜崎くんがすればいいわ」
ええ、だって猛獣だし!
「ええー、いっつもカイジュウはにーちゃんなんだもん。つまんねー」
こっちが『ええー』よ。子供って難しいわ。
高校生三人の会話は中断されて、怪獣ごっこが始まってしまった。
結局竜崎くんが怪獣になった。
私シナリオで、怪獣ごっこを進める。
シロがこれまた冷めた目で私達のやりとりを見守る中、数分が経つ頃には、正人くんも私もノリノリだった。
「ま、まさか…ヒメがしんのボスだったとは…!」
「ふっふっふっ。油断したわね勇者。これでこの世界は私のものよ!」
いつの間にか、さらわれた姫君が悪の女王になっていた。おかしい。こんなはずじゃなかったのに。



