「そんなにサラッと謝れるなら、はじめから脅したりしないでよ!」
「いや、あのくらいしないと、断られると思ったんだ。姫宮に、頼みたいことがあって」
頼みたいこと?
首を傾げる私に、竜崎くんは「もうすぐわかる」と言って、前を向いた。
なによ、頼みたいことって。
そのために、『ツラ貸せ』なんて言ったの?
もっと言い方考えなさいよ!怖かったじゃないの!
しばらくすると、なんだか見慣れた景色になってくる。
…あれ?この辺、うちの近所だわ。
まぁ、ここから私の家までは十分くらい歩かなきゃいけないけれど…
「着いたぞ」
竜崎くんの言葉に、辺りを見回していた視線を前に向けた。
色んなところから、きゃっきゃと子供達の声が聞こえてくる。
私は目の前のカラフルな遊具と建物を見つめながら、つぶやいた。
「……保育園?」
「ああ。俺の弟が通ってる」
弟!?
いや、それよりも!



