好きなものも嫌いなものも、積み重なった思い出が自然と教えてくれる。 けれど、わからないことだってたくさんあるわ。 「…シロは、時々何を考えてるのか、わかんないのよ」 「そう?」 そもそも、どうして私のことは何でもわかるって言い切れるのよ。 きっと私より私のことを理解しているんだろうとは、思うけれど… シロがまだ、確実に知らないであろうことが、ひとつだけある。 私は穏やかに笑うシロを見て、気づかれないくらいにそっとため息をついた。 …知らない、くせに。 私がシロを、好きだってこと。