振り返ると、そこにいたのはちゃらそうな男子。
笹原くんとよくつるんでる、北川くんだ。
「どうしたの?」
何気なく訊くと、北川くんはニコニコと笑いながら、私の横に並んだ。
「あのさ。笹原から聞いたんだけど、ミアちゃん、ホットケーキ好きってマジ?」
「え…うん」
ドキ、と胸の奥が鳴る。
そういえば先週、言ったわ。
自販機の前で….
「ホットケーキ好きとか、やっぱミアちゃん可愛いなぁ〜」
「そ…そう、かなぁ?」
デレデレに褒めてくれる北川くんに、困ったように笑う。
私が可愛いなんてこと、とっくにわかってるけれど。
すると北川くんは、突然ニヤッと笑った。
少しひと気のない廊下の曲がり角で、声をひそめる。
私の耳元まで唇を寄せて、囁いた。
「今度、デートしよ?スイーツ、食べに行こうよ。ふたりで」
私はその声に、目を細める。



