「まぁでも、こんな風に逃げたって、真白は諦めないと思うけどね」
りさが隣で携帯を触りながら、そんなことを言う。
彼女には、昨日のことと柳田さんのことを、全て話したのだけれど。
…わかってるわよ。
シロがあんなにも必死になってるときは、大抵しぶとい。
私は無糖の缶コーヒーをこそこそと飲みながら、むっと唇を尖らせた。
「…でも、心の準備が…」
「心の準備心の準備って言うけどさ。本当に真白はあんたに、付き合うか付き合わないかの返事をするつもりなわけ?」
へ?
意味がわからない、という顔をして見ると、りさは「絶対違うわよ」と言い出した。ええ?
「さすがのシロも、そこまで鈍感じゃないわよっ」
「でも、あんたは真白に、『好きです付き合って下さい』って言ったわけじゃないんでしょ?」
「そ、それはそうだけど…」
私がシロに言ったのは、『彼のホットケーキを、他の女の子が食べるのは嫌だ』ってこと。
確かに告白はしてないのかもしれないけれど、私の気持ちがバレバレなのは明らかだわ。
「真白のあの顔は、告白の返事をするって感じじゃないわよ」
「な、なんでわかるの?」
「幼馴染のカン」
「…………」
そんなの、全然頼りにならないのだけれど!?



