りさに今起きたことを説明しようと、頭の中を埋めつくす単語の数々を口からこぼす。
「…あのね、柳田さんがフラれて、パスケースで…私は昨日やらかして、美味しいホットケーキが…」
「落ち着いてミア。何を言ってるかわからないわ。柳田さんが何?あんたは昨日何をやらかしたの。ホットケーキがどうしたの」
「…美愛子は今、混乱しているわ」
「そう。まだ状況整理ができてないのね。とりあえず教室行きましょうか」
りさに背中を押されて、なんとか歩き出す。
教室に入って席に着いてからも、私の頭の中はシロと柳田さんのことでいっぱいだった。
…土曜日に、柳田さんはシロの家に行ったのよね。
そこで、告白して…フラれて。
パスケースを忘れて帰って…
…ホットケーキは?
食べたのよね?
あれ?
「で、ミア。何があったのかしら」
りさが私の机の横に立って、私を見つめる。
けれど私の頭の中は、今度ははてなマークに支配されようとしていた。
「ホットケーキの行方…謎に包まれたホットケーキ…」
「は?」
またもや目を回す私と、眉を寄せて私を見つめるりさと。
遠くで、始業のチャイムが鳴った。
*
お昼休み。
私はりさとふたり、中庭のベンチでお弁当を食べていた。



