「………え」
予想していなかった人物に、一瞬お姫様スマイルが崩れる。
柳田さんは私を見て、言いにくそうに目をそらした。
「…金曜日のお礼…結局言ってなかったと思って」
金曜日?
ああ、柳田さんが女子達に呼び出されたところを、私が助けたのよね。
あのときは私も気が立っていたから、すっかり忘れていた。
お礼なんて…律儀なひとだわ。
私は眉を下げて、なんでもないように笑った。
「ううん。気にしなくていいよ。私もその…色々、ごめんなさい」
彼女がシロと話していたのを、邪魔しちゃったりしたし。
そういうのを込めて謝ると、柳田さんも可愛らしく笑ってくれた。
「ううん、大丈夫。…仕方ないよ。姫宮さんも、好きなんでしょ?」
進藤くんのこと、とは、彼女は口にしなかった。
きっと、そのことを私が隠していると、察してくれたんだろう。



