「…勉強、教えて欲しいって。メールで言われて」
「……………」
「家に…来たいって、いうから」
…から。
家に、上げたの?
思考の整理が、追いつかない。
付き合ってるの?
彼女のことが、好きなの?
尋ねたいことが山ほどあるのに、言葉にならない。
眉を寄せて見つめることしかできない私に、シロはやけに落ち着いた態度で「…勉強しただけだよ」と言った。
「少しの間勉強したあと、お菓子の話題になって、『ホットケーキ作ってほしい』って言われたから…」
「え?」
その言葉には、反射的に声が出た。
私は、耳を疑う。
………シロの、ホットケーキ。
あの、私の大好きな大好きな、ホットケーキを。
柳田さんも、食べたの?
「……うそ」
「…美愛子?」
泣き出しそうな目をした私に、シロは戸惑ったように眉を寄せる。
どく、どく、と、不規則に私の心臓が嫌な音を立て始めた。
…この、感覚。
私がいちばん恐れていた、この感じ。



