「痛っ。」


いつの間にか足の踵が靴擦れで血が滲んでいた。


そして私は遂に木の根元に座り込んでしまった。



「ママぁ。」



座り込むと気力というつっかえが無くなり、涙がとめどなく流れた。

膝をかたく抱いて寒さに凍えた。






その時


ヒュッ


何かが風を切る音がした。