ココにあった日、俺はまた会合が嫌になり、抜け出しているところだった。 そんなに長がやりたいならやればいい。 俺はやりたくてやってる訳じゃない。 元より権力なぞ興味がない。 厄介な家系に生まれてしまったものだ。 アベル・リアローズ。 この名が憎い。 俺の家系、リアローズ家は昔から由緒正しい吸血鬼の家系だった。 そのせいで、普通の吸血鬼より力が強い。しかも、血脈のせいだけではない、俺には特別な力があるようだった。