「ぅ・・・ん」




私は目が覚めた。
随分長い間深い眠りに落ちていたようだった。



頭が少し痛む。



上半身を起こし、周りを見渡すと私は豪勢な部屋のベッドに寝かされているようだった。




「ここ、どこ・・」





「目が覚めた?」





よく響くバリトンの声が聞こえた。




声のしたほうを振り向くと、男が居た。



病的に白い肌、黒より藍色に近い暗色の長めの巻毛、長身で細身。


何よりその美しい顔。



神様に贔屓されて生まれてきたような、どこをとっても非の打ち所がない。


妖艶な男らしい顔立ち、瞳の色は黄金色だった。



しばらく呆気にとられていると、彼は座っていた出窓から腰を上げベッドに近づき、私のすぐ隣に腰掛けた。




「大丈夫?
昨日は大変だったね。」




彼は大きな手で私の頭を撫でた。