【ライ】


「今日も何もなかったじゃないか!!」

一言大きな声を上げる兄さん。

私は、ライ。

そして、今にも八つ当たりしてきそうな、
兄さんのレイ。

私たちは、双子で死神。

いつも、仕事が来なくて 、兄さんの苛立ちは

MAXになりそうだ。

「それほど、平和なんだって。」

「いくらなんでも平和過ぎだろが!!」

私は、軽くため息をして、
ある場所に指をさした。

「ほら、あの子の寿命…」

「おっ!!もうすぐじゃん!!」

「だから、我慢してよ…」

「おう!!」

私は、家の窓から空を見る子をさした。

10か11の少女だろう。

彼女の頭の上には、1ヵ月3週間2時間58秒と
出ていた。