Purewhite Devil

薫君が、死――ぬ?


何言ってんの?



「そんなわけないッッ!!」



涙が頬を伝い零れ落ちていく。


そんなはずないと思っているのに何で涙が流れるの?


冗談ではない雰囲気で言われたから?



“貴女には見えないものが私には見えるの”

「そんな言葉いらないよッッいらないから――嘘だって、言ってよ――ッッ」



私の言葉も虚しく、彼女は否定してくれなかった。


何でッッ!!


何で薫君が死ななきゃいけないの!?


もう――訳わかんないよ――。



“彼を忘れて幸せに暮らしたいのなら、そう心の中で願いなさい。さすればその願い、私が聞き入れましょう”

「そんな事までできるの――?」

“今の私ではそんな事しかしてあげられない。貴女の為に少しだけ力を残しておくわ”



また優しい口調に変わった彼女の声に安心したのか、涙腺は緩んだまま涙を流し続けている。