Purewhite Devil

暗闇の中どうする事もできなくて、腰を浮かせて座ったままただボーッと前を見つめていた。


これって夢、なのかな――。


気付けば朝になってたりするんだろうか。


ため息を漏らした時、突然目の前に丸い光が何処からともなく現れ息を飲んだ。



「な、にッッ――これ――ッッ」



私は思わず尻餅をついてしまい、慌てて後ろに後ずさった。


情けない事に腰が抜けてしまい立ち上がれない。



“驚かせてしまってごめんなさい”



透き通る様な優しい女性の声が、頭の中に響く様に流れ込んできた。


なんて心地のいい響きなんだろう。



「あのっ――そ、の――」



あれ?


そう言えば私――。



「声が出てる――」



さっきまで全然声が出なかったのに。



“ごめんなさい、貴女が声を出せなかったのは私のせいなの――”