私たちは駅前のカフェに立ち寄った。



『いつも言ってるけど、本当に気にしなくていいんだよ』

「はい――それじゃああの、ありがとうございます」



私の言葉にニコッと笑い、トレーを持ってくれる望先輩。


お金を出そうとするたびにこうして優しく制される。


大金を出させている訳じゃないけど、同じお金だし何となく心苦しい。


中途半端な気持ちがそうさせているのかもしれないけど。


店内は込み合っていたが、先に席を確保していたため、難なく座る事ができた。


道行く人達が綺麗に見える場所だ。


駅前という事もあり、同じ制服を着た人たちもちらほら歩いている。