唇が触れ合い、トクンッと胸が鳴った。
その瞬間突然雲一つない真っ青な空が頭の中に現れ、驚きのあまり目を見開いた。
だけど当たり前の様に目の前には望先輩の綺麗な顔があり、雲一つない青空なんて何処にもなかった。
『ごめん』
「え?」
『嫌、だったよね』
反省しているのか肩を落とし申し訳なさそうな顔をしている望先輩。
「ち、違いますッッ。あっえっと――ちょっと、驚いたというか恥ずかしかったというか、その――」
モジモジする私を見て可笑しそうに声を漏らして笑う彼は、私の体を抱きしめた。
抱きしめられると今度はお花畑が目の前に広がった。
何処までも続くお花畑。
ここは――。
『乃愛ちゃん』
「は、はいっ」
望先輩の声に現実に引き戻され、お花畑は一瞬にして消えてしまった。
『大好きだよ』
「――はい」
素っ気ない返事。
分かっていながらも、いつも他に言葉が見付からない。
それでも望先輩はこんな私を大事にしてくれる。
彼の好意に甘える日々。
満たされていくようで、同時に虚しさも広がっていく。
どうしようも出来ない自分が歯痒くて仕方がなかった。
その瞬間突然雲一つない真っ青な空が頭の中に現れ、驚きのあまり目を見開いた。
だけど当たり前の様に目の前には望先輩の綺麗な顔があり、雲一つない青空なんて何処にもなかった。
『ごめん』
「え?」
『嫌、だったよね』
反省しているのか肩を落とし申し訳なさそうな顔をしている望先輩。
「ち、違いますッッ。あっえっと――ちょっと、驚いたというか恥ずかしかったというか、その――」
モジモジする私を見て可笑しそうに声を漏らして笑う彼は、私の体を抱きしめた。
抱きしめられると今度はお花畑が目の前に広がった。
何処までも続くお花畑。
ここは――。
『乃愛ちゃん』
「は、はいっ」
望先輩の声に現実に引き戻され、お花畑は一瞬にして消えてしまった。
『大好きだよ』
「――はい」
素っ気ない返事。
分かっていながらも、いつも他に言葉が見付からない。
それでも望先輩はこんな私を大事にしてくれる。
彼の好意に甘える日々。
満たされていくようで、同時に虚しさも広がっていく。
どうしようも出来ない自分が歯痒くて仕方がなかった。


