Purewhite Devil

眉間に皺を寄せる泉堂君。


それは怒ってるの?


それとも困ってるの?


そんな顔もするんだね。


そんな顔の泉堂君も好き――こんな時にこんな事考えちゃう私は馬鹿だ――。


泉堂君は私から離れ音楽室の扉を閉めると、また私の前に立ち次は私の頭をがっちり掴んだ。


な、何!?


驚き過ぎて涙が引っ込んだ――。



『お前何なんだよ』

「竜ヶ崎――乃愛、です――」



何故か盛大なため息を吐かれてしまった。


もうよく分かんないんだけど――。



「ッッ!?」



泉堂君は何かをぶつける様に私の頭をガシガシかき乱した。



『お前調子狂うんだよ』

「言ってる意味が分かんないッッ」

『俺も分かんねぇよ!!』



こんなに大きな声を出した泉堂君初めてだ。


思わず口を閉じて固まってしまった。



『俺もよく分かんねぇけど、泣かすつもりはなかった。悪かったよ――乃愛』



のッッ今乃愛って言ったッッ!?


ボッと顔が熱くなり、誤魔化す様に首を横にふって返事をした。


心臓がドン引きするくらい早いんだけど!!


訳分かんなくてももういいや。


さっきの辛さが嘘みたいに今幸せだから。


恋って凄い。