Purewhite Devil

ピアノの音がピタッと止み、静寂に包まれた部屋にガタッという音が響いた。


その音に体がびくつき、足が震えた。


私は下を向いたまま唇をギュッと噛み締める事しかできなかった。


私が中々でて行かないから余計怒らせちゃったのかもしれない。


足音が後ろから聞こえ、近付いてきたと思ったらそのまま私の横を通りすぎていった。


私が出ていかないからだ――。


足元がヤバイくらいボヤけてる。


追いかけたいのにこれ以上嫌われたらと思うと体が動かなかった。


涙が零れる前に手で拭おうとした時、勢いよく私の顔は上を向いた。


何故か目の前には泉堂君がいて、私の顎はしっかりと泉堂君の手に掴まれていた。



『何泣いてんだよ』



何って――それを泉堂君が言っちゃうの!?


私の涙腺は一気に緩み、涙が情けない程流れ出した。