土屋先輩に促され、テーブルの前に腰をおろした。


土屋先輩の腕には包帯が巻かれ、顔の所々にはテープが貼られていた。



「あの――すみませんでした」

『乃愛ちゃんのせいじゃないよ。それにバチが当たったんだと思う』

「バチ、ですか?」

『乃愛ちゃんの気持ちも考えずに抱きしめたからかな――ごめん』



本当に申し訳なさそうな顔をして切実に謝られると、酷いことをしてしまったような気分になる。


確かにビックリしたけど、ひっぱたきたい程嫌なことをされたわけじゃない。


私なんかを抱きしめた代償にこんな怪我をさせてしまったんだとしたら、そんなの申し訳なさすぎる。



「土屋先輩はバチが当たる程の事、何もしてないです。でも――もう急に抱きしめたりはしないで下さいね?」

『うん――本当にごめん。こんな俺とは友達ですら嫌だよね――』

「そんな事ないです。土屋先輩が嫌じゃなければこのまま友達でいられたら嬉しいです」



土屋先輩は申し訳なさそうに、でも少し照れくさそうに笑って『ありがとう』と言ってくれた。


その言葉を聞いて私はホッとした。