毎日毎日同じ様な時間を過ごして、何事もなく終わっていく。


刺激のない日々。


だけどそれが不満かと聞かれれば私は別にと答えるだろう。


優樹菜や他の仲良しな友達と楽しく過ごす時間が好きだから。


家族とだって仲が良いし、辛いことなんて一つもない。



「お昼行こう」

「うん」



私は財布を鞄から取りだし、優樹菜と一緒に食堂に向かった。


隣のクラスの前を通り過ぎる時にチラッと覗いてみた。


やっぱり何処にも泉堂君の姿は見あたらなかった。


彼はいつもお昼の時間は雲隠れにあったかの様に姿を消してしまう。


そしてそんな彼を必死に探す女子たち。


自分たちのせいで彼が何処かに行ってしまってるとは思わないんだろうか。


そう思うと少なからず泉堂君に対して同情心が芽生える。


お昼くらいゆっくり食べたいよね。


モテる人を少し羨ましく思ってた事もあるけど、あそこまでモテると大変だなぁと思う。